とろけてほどけて愛になる〜友達の恋人の友達は、私を癒して甘やかす〜
「佐津川さん、大丈夫?」
彼の体は温かく、初めて嗅ぐ匂いにもかかわらず、不思議とホッとする。
「ん……ちょっと酔っちゃったみたいです……。寄りかかってしまってすみません……」
「いいよ、もっと寄りかかって」
「でも……今までも頑張れたし……大丈夫です」
それは楓介への返事というよりは、自分自身に言い聞かせた言葉だった。そう思い込むだけで、どんな障壁も乗り越えられる気がしたのだ。
「じゃあどうして佐津川さん、ずっと眉間に皺を寄せてるの?」
「……えっ……皺?」
「美味しいお酒と、美味しい食べ物、デザートも出てきて、口ではすごく嬉しそうなのに、さっきからずっと表情だけは変わってないんだよね」
どんなに隠そうとしても、楓介には何故か心のうちを見透かされてしまう。
酔いのせいか、隠すことすら面倒くさく感じた愛梨は、ため息をついて全体重を楓介に預けた。
「私、すごく心が狭くて冷たい人間なんです……」
「どうしてそう思うの?」
「だって……高田くんが大変な状況で、祥ちゃんだって不安でいっぱいなはずなのに……連絡が来るたびに気持ちが重くなるんです……。仕事もうまくいかなくて、スランプで……どうしていいのかわからないのに、祥ちゃんに優しく声をかけるどころか、煩わしくなってる……最低な人間なんです……」
胸に支えていたことを口にしたら、少しだけ呼吸が楽になった気がした。
「尾原さんは、どんな話をするの?」
「高田くんの目が覚めなくて不安だ、結婚式が延期になるかもしれない、苦しい、辛い、死にたいって……」
先ほど届いたメッセージにも、きっとそんな内容が書かれているに違いない。だからこそ、スマートフォンを確認するのが怖かった。
「あぁ、なるほど。そっか。ただでさえ気分はマイナスなのに、佐津川さんは聞き上手だから、何も言えずにさらに巻き込まれちゃってるんだね」
愛梨は首を横に振る。
「……そんな可愛いものではないです……。言いたいことが言えない自分にも、自分のことしか考えていない祥ちゃんにも腹が立つし、そんなこと考えちゃう自分が最低すぎて反吐が出る」
「でもそれはさ、優しさ故に言えないってことなんじゃないかな」
怪訝そうに目を細めて楓介を見た。
彼の体は温かく、初めて嗅ぐ匂いにもかかわらず、不思議とホッとする。
「ん……ちょっと酔っちゃったみたいです……。寄りかかってしまってすみません……」
「いいよ、もっと寄りかかって」
「でも……今までも頑張れたし……大丈夫です」
それは楓介への返事というよりは、自分自身に言い聞かせた言葉だった。そう思い込むだけで、どんな障壁も乗り越えられる気がしたのだ。
「じゃあどうして佐津川さん、ずっと眉間に皺を寄せてるの?」
「……えっ……皺?」
「美味しいお酒と、美味しい食べ物、デザートも出てきて、口ではすごく嬉しそうなのに、さっきからずっと表情だけは変わってないんだよね」
どんなに隠そうとしても、楓介には何故か心のうちを見透かされてしまう。
酔いのせいか、隠すことすら面倒くさく感じた愛梨は、ため息をついて全体重を楓介に預けた。
「私、すごく心が狭くて冷たい人間なんです……」
「どうしてそう思うの?」
「だって……高田くんが大変な状況で、祥ちゃんだって不安でいっぱいなはずなのに……連絡が来るたびに気持ちが重くなるんです……。仕事もうまくいかなくて、スランプで……どうしていいのかわからないのに、祥ちゃんに優しく声をかけるどころか、煩わしくなってる……最低な人間なんです……」
胸に支えていたことを口にしたら、少しだけ呼吸が楽になった気がした。
「尾原さんは、どんな話をするの?」
「高田くんの目が覚めなくて不安だ、結婚式が延期になるかもしれない、苦しい、辛い、死にたいって……」
先ほど届いたメッセージにも、きっとそんな内容が書かれているに違いない。だからこそ、スマートフォンを確認するのが怖かった。
「あぁ、なるほど。そっか。ただでさえ気分はマイナスなのに、佐津川さんは聞き上手だから、何も言えずにさらに巻き込まれちゃってるんだね」
愛梨は首を横に振る。
「……そんな可愛いものではないです……。言いたいことが言えない自分にも、自分のことしか考えていない祥ちゃんにも腹が立つし、そんなこと考えちゃう自分が最低すぎて反吐が出る」
「でもそれはさ、優しさ故に言えないってことなんじゃないかな」
怪訝そうに目を細めて楓介を見た。