とろけてほどけて愛になる〜友達の恋人の友達は、私を癒して甘やかす〜
* * * *

 病室に運ばれた光一にはたくさんの機械と線が繋がれ、腕や頭には包帯が巻かれており、顔には無数の傷跡が見えた。

 ベッドのまわりでは看護師たちが(せわ)しなく動き回っており、祥子は光一のそばについて、心配そうに彼を見守っている。

 想像していたよりも重篤な状態の光一を見て、愛梨の心には不安が押し寄せ、緊張感に包まれた。

 光一は目を覚ますのか、もし目を覚ましたとして、体に障害は残らないのか、結婚式を挙げることはできるのか。きっと祥子も同じことを思っている気がしたが、第三者の愛理が聞くことは出来なかった。

 楓介と二人で壁に沿って立っていると、祥子の母親が二人の元へやって来た。

「愛梨ちゃんも津山さんも、今日は駆けつけてくれてありがとう」
「いえ、そんな……心配だったので……」

 祥子に対して何かができたわけではない。そのことが気になり、愛梨は俯いた。

「二人とも、仕事の後に来てくれたんでしょ? それに明日も仕事よね。祥子は明日はたぶん休むと思うし、私たちもついているから、あなたたちはもう帰って大丈夫よ」

 祥子の母親はやや疲れた様子で微笑んだ。

 時計を見ると、まもなく二十三時を迎えるところだった。頭に仕事のことが掠めたが、このまま祥子のそばを離れていいのか不安にもなる。

「とりあえず手術は無事に終わったし、何かあったらすぐに連絡するから」

 ここにいても何も出来ないことはわかっていたが、自分の不甲斐なさを感じて口籠もってしまった。

「わかりました。では私たちはここで失礼します。明日また伺ってもよろしいでしょうか」
「えぇ、目が覚めているかはまだわからないけど」
「ありがとうございます。じゃあ佐津川さん、行こうか」

 楓介は祥子の母親に頭を下げてから、愛梨の背中をポンっと叩いた。

 驚いた愛梨が楓介の方を向くと、彼は穏やかな笑顔を向けていた。人によっては胡散臭さを感じるようなものだが、高校生の頃の彼を思えば、それが自然に出ているものだとわかる。

 だがそう思っている間に背中を押され、病室の外に促されていく。

「えっ、あっ、はい、では失礼します……」

 気がつけば夜間入口を通り抜け、ひんやりとした空気に体が包まれた。
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