とろけてほどけて愛になる〜友達の恋人の友達は、私を癒して甘やかす〜
「今日は俺は飲まないから、車でちゃんと家まで送るよ」

 突然の申し出に驚いた愛梨は、慌てて首を横に振った。

「家⁉︎ いやいや、一人で帰れるから大丈夫だよ」

 しかし楓介は目を細め、真剣な眼差しを愛梨に向ける。

「ダーメ。さっきの暗い道を歩かせるわけにはいかないよ」
「じゃあタクシーを呼ぶから──」
「タクシー呼ぶのはいいけど、誘ったのは俺だし、代金は俺が払うからね」

 逃げ場を失った愛梨は、唇をぎゅっと結んで考えを巡らせるが、なかなか良い案は浮かんでこない。

 そんな愛梨の様子を見守っていた楓介は、不敵な笑みを浮かべた。愛梨は嫌な予感がし、思わず身構えてしまう。

「送っていくのがダメなら、前回みたいに泊まっていくのはどう? もちろん何もしないよ。愛梨がベッドを使って、俺はソファでも構わないし」

 楓介の言葉は愛梨が想像していたものだったが、彼がソファで寝るという言葉は想定外で戸惑った。

「それは……ダメだと思う。楓介くんの部屋なのに、私がベッドじゃおかしいもの」

 すると楓介は笑いながらたこ焼きを返し始めた。

「愛梨が気になったのはそこなんだ。あはは、なんか愛梨らしい」

 きっと楓介は、またああいうことが起きてしまう可能性を示唆しているのだろう。だが愛梨の中で、それはないと思えた。

「だ、だってあれは楓介くんは私が求めたからしてくれただけで……。もし私が求めなければ、あのまま飲み明かして終わりだったと思う」

 確証はないが、楓介は無理やりするようなことはないと思える。

(彼ほどカッコいい人は、私みたいな女子を相手にするわけがない……。でも前回助けてもらったのは事実だし、そばにいてくれるだけで感謝だよね)

 楓介は観念したように息を吐くと、優しく微笑んだ。その笑顔を見ただけで、愛梨の心は温かくなる。

「わかった。なら俺がベッドで愛梨がソファで寝るなら、泊まりもアリ?」

 言葉に詰まりながら、渋々口を開く。

「それなら……アリだけど、でも私、着替えとか何もないし……」

 この間は裸で寝てしまった上、楓介が洗濯まで終わらせてくれていたが、もし今回泊まるのならそうはいかない。

 だが困惑する愛梨とは真逆の反応を示した楓介が、「ちょっと待ってて」と言って、たこ焼き用のピックをテーブルに置いて寝室に消えてしまった。
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