とろけてほどけて愛になる〜友達の恋人の友達は、私を癒して甘やかす〜
 楓介がローテーブルにパソコンを置いたのを見て、愛梨はふと彼の仕事のことが気になり始めた。

(楓介くんも同じ飲食業系の仕事をしてるんだよね。どんなお店なのかな……)

 でも追い込まれている愛梨に比べ、いつも穏やかな空気を崩さない楓介が、一体どんな仕事をしているのか知りたくなった。

 大まかな内容は聞いているが、どこまで深く尋ねていいのかわからない。

 ペットボトルのキャップを開けて水を飲む楓介の横顔をじっと見つめてから、目を細めて天井を見上げた。

「愛梨ってば、百面相なんかして、どうかした?」
「百面相⁉︎ そんなことしてた?」

 驚いて両手で顔を挟むと、衝動的に後退りする。

「それに加えて、挙動不審」
「そ、そんなことはない……はずだけど」
「あはは。冗談だって。何かあった?」

 そう言われて、愛梨は恥ずかしそうに俯いた。

「……楓介くんのこと、いろいろ知りたいなって思ったの。ほら、同じような職種だし、どんなお店なのかなって」

 楓介は一瞬時間が止まったかのように、目を大きく見開いたまま動かなくなる。

 それから突然吹き出し、にこにこしながら愛梨を見つめた。

「もしライバルチェーンだったらどうする?」
「えっ、それは考えてなかった……。本当にそうなの?」

 おずおずと不安げに尋ねたが、楓介は不的な笑みを浮かべながら首を傾げた。

「うーん、まだ企業秘密なところがたくさんあるんだけど、ファミレスではないってことは言えるかな」
「じゃあライバルではないのね」
「愛梨がメニューを考えてるお店とは、ちょっと系統は違うかも」

 そこまで話を聞いてしまうと、さらにその先が知りたくなってうずうずし始め、楓介をじっと見つめる。

「うーん、そんな目で見られたらなぁ」

 困ったように笑うと、楓介は愛梨の方に体を向け、ソファの背もたれに肘をついた。
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