とろけてほどけて愛になる〜友達の恋人の友達は、私を癒して甘やかす〜
土曜日の夕方、面会に来る人は多いように思われたが、病室で話をしているのか、談話室に人の気配はない。
祥子は一番手前の四人掛けのテーブルに荷物を置いたが、愛梨に背を向けたまま微動だにせず、沈黙だけが流れていく。
その空気感が、妙に怖く感じた。
「祥ちゃん、あの……病室に行かないの?」
「……行きたいの? そりゃそうか。津山くんがいるんだもんね」
「えっ……」
まるで殴られたかのような衝撃を受け、言葉を失った。
ゆっくりと愛梨の方を振り返った祥子は、いつもの明るい笑顔ではなく、睨みつけるような目で愛梨を見ていた。
「本当は今日だって光一のお見舞いとか言いながら、実は二人で示し合わせて来たんじゃないの?」
「ち、違うよ……なんのことか──」
「昨日の夜、見たのよ……愛梨と津山くんが手を繋いで歩いているところを」
一瞬呼吸が止まった。冷や汗が流れ、心拍数が上がっていく。
まさか昨日のことを見られていたとは思いもしなかった愛梨は、大きく目を見開き、口をぎゅっと閉ざした。
「私と光一がこんなに苦しんでるのに、あんたたちは楽しそうに笑ってて……ふざけないでよ!」
祥子の怒りが沸々と沸き上がっていくのがわかり、恐怖と不安で息が苦しくなっていく。
「こっちは光一がいつ退院出来るかもわかんないし、両親にはグチグチ言われ続けて結婚式が出来るかもわからないのに! なのにあんたたちはこっちの辛さも知らないで……あの後どうしたの? 二人で仲良くご飯食べた? その後は? もういい加減にしてよ!」
テーブルの上の荷物に拳を振り下ろしたのを見て、声が出なくなってしまう。
確かに一度はそうなってしまった。でもそれは精神が限界に達した愛梨を解放するために、楓介がしてくれただけに過ぎない。
(あれは私のわがままで、楓介くんには何も非はないのに、このままだと彼まで悪者になっちゃう……)
「違うの! 楓介くんは関係ないの! 私が悪いだけだから──」
なんとか否定しようとして、祥子の肩に手を触れた時だった。
その手を払われ、「"楓介くん"なんて呼んでるの? 気持ち悪い。顔も見たくない」と吐き捨てるように言われた。
祥子は一番手前の四人掛けのテーブルに荷物を置いたが、愛梨に背を向けたまま微動だにせず、沈黙だけが流れていく。
その空気感が、妙に怖く感じた。
「祥ちゃん、あの……病室に行かないの?」
「……行きたいの? そりゃそうか。津山くんがいるんだもんね」
「えっ……」
まるで殴られたかのような衝撃を受け、言葉を失った。
ゆっくりと愛梨の方を振り返った祥子は、いつもの明るい笑顔ではなく、睨みつけるような目で愛梨を見ていた。
「本当は今日だって光一のお見舞いとか言いながら、実は二人で示し合わせて来たんじゃないの?」
「ち、違うよ……なんのことか──」
「昨日の夜、見たのよ……愛梨と津山くんが手を繋いで歩いているところを」
一瞬呼吸が止まった。冷や汗が流れ、心拍数が上がっていく。
まさか昨日のことを見られていたとは思いもしなかった愛梨は、大きく目を見開き、口をぎゅっと閉ざした。
「私と光一がこんなに苦しんでるのに、あんたたちは楽しそうに笑ってて……ふざけないでよ!」
祥子の怒りが沸々と沸き上がっていくのがわかり、恐怖と不安で息が苦しくなっていく。
「こっちは光一がいつ退院出来るかもわかんないし、両親にはグチグチ言われ続けて結婚式が出来るかもわからないのに! なのにあんたたちはこっちの辛さも知らないで……あの後どうしたの? 二人で仲良くご飯食べた? その後は? もういい加減にしてよ!」
テーブルの上の荷物に拳を振り下ろしたのを見て、声が出なくなってしまう。
確かに一度はそうなってしまった。でもそれは精神が限界に達した愛梨を解放するために、楓介がしてくれただけに過ぎない。
(あれは私のわがままで、楓介くんには何も非はないのに、このままだと彼まで悪者になっちゃう……)
「違うの! 楓介くんは関係ないの! 私が悪いだけだから──」
なんとか否定しようとして、祥子の肩に手を触れた時だった。
その手を払われ、「"楓介くん"なんて呼んでるの? 気持ち悪い。顔も見たくない」と吐き捨てるように言われた。