とろけてほどけて愛になる〜友達の恋人の友達は、私を癒して甘やかす〜
「津山リーダー! どうかされましたか?」

 三人は慌てて立ち上がった。その様子を見て、楓介は笑顔を浮かべた。

「先ほどはきちんと挨拶が出来なかったので、今各部署を回っているんです。あっ、どうぞ掛けてください」

 そう言ってから、楓介は千歳の隣の空いている席に腰を下ろした。

「挨拶が二度目になってしまいますが、今回リーダーを任されました津山楓介です。安住さん、佐津川さん、牧川さんですよね。改めてよろしくお願いします」

 何も見なくても全員の名前を覚えていたことに、修は感激した様子で背筋をピンと伸ばし、「よろしくお願いします!」と叫んだ。

「皆さんはバータイムのパフェのメニューの考案ですよね。すでに何か案など浮かんでいたりしますか?」
「まだこれからですが、やはりコンセプトが星空ということですので、それに合ったメニューを考えていくつもりです。津山リーダーは、こんな食材を使って欲しいなど、リクエストはあったりしますか?」

 千歳の言葉に、楓介は顎に手を当て、しばらく考えを巡らせてから、顔を上げる。

「私の仕事柄というのもあるのですが、都会にいると見えない星々も、日本各地に行けば満天の星を観測出来る場所があるんです。そういう本やフリーペーパー、観測会の情報なども店内各所に置くつもりです」

 三人はその話に耳を傾ける。

「そういう場所に興味を持ってもらうきっかけとして、各地の特産品を使ってもらうのはどうでしょう」
「それはフルーツとかですか?」
「あとはお酒、エディブルフラワー、調味料とかもありますよね。いろいろな視点で天体と関わってもらえたらと思っています」
「なるほど。ついフルーツやお菓子で考えてしまうけど、切り口はいろいろですもんね」

 千歳と修がパソコンで何やら調べ物を始めたところで、愛梨は自分に向けられる視線に気付いた。

 ゆっくり楓介の方に目をやると、彼がいつものように穏やかな笑顔を浮かべてこちらを見ている。

 その途端、愛梨の胸が高鳴り、体がキュンと締め付けられるような熱を感じる。

「わかりました! ではそのことも含めながら考えていきます」
「よろしくお願いします。では何かありましたらご連絡ください」

 楓介はそう言うと、すぐさま立ち去ってしまった。

「すっごいな……。リーダーからも出来る男感がビシバシと出てた……。俺もいつかあんな男になりたいな」
「はいはい、頑張ってー」

 愛梨は自分の胸に手を触れ、そっと目を伏せた。

 今もドキドキが止まらず、息苦しさを感じる。

 彼が言葉を発する唇から目が離せなくなり、キスをしたい衝動に駆られたなんて、口が裂けても言えなかった。
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