とろけてほどけて愛になる〜友達の恋人の友達は、私を癒して甘やかす〜
「こんな私で良ければ、楓介くんと一緒にいたいです……」
「そんな愛梨だから一緒にいたいんだよ」

 すると楓介は愛梨の耳元に唇を近付けると、「キスしたくてたまらないけど、会社だから我慢する」と囁いた。

 愛梨が顔を真っ赤に染めたのを見て、彼は嬉しそうに微笑む。

「愛梨、これからうちに来ない? 新しいワインが増えたんだ。そこのスーパーでお惣菜を買って行こう」

 まるで初めて楓介の家に行くことになった日のようなやりとりに、胸がいっぱいになる。

 あの日があったからこそ、今に繋がっているのだと実感出来る。

「あの……私ここのところ寝不足で、すぐに寝ちゃうかもしれないよ」

 その言葉には、裏の意味も込める。それに気付いた楓介は、頬を染め、満面の笑みを浮かべた。

「俺は、したいから愛梨のそばにいるんじゃないよ。愛梨のそばにいるだけで満たされるんだ。でももっと近くに寄りたくて、深く繋がりたくなっちゃうんだけど」
「それは……やっぱりしたいってこと?」

 楓介としたい気持ちはあるものの、今夜は起きている自信がなかった。

「明日も明後日も休みだし、これから先も時間はたくさんあるよ。俺も今週は疲労困憊だし、今夜はゆっくり休もう」
「……楓介くんのベッド、すごく寝心地がいいから、すぐに寝ちゃうかも」
「寝心地がいいのはベッドだけ?」

 口を尖らせた楓介を見ながら、愛梨はクスクス笑う。

「……楓介くんに抱きしめられると、すごくホッとする……」
「良かった。愛梨も同じ気持ちだって思うと嬉しいね。そうしたら俺も一緒に寝るから大丈夫。じゃあそろそろ帰る支度をして。美味しいお惣菜がなくなっちゃうかもしれないよ」

 楓介に促され、愛梨は慌てて帰り支度を始める。

「そうだ。前回聞けなかった星の話、また今度聞かせてほしいな」
「もちろん。時間はたくさんあるからね」

 二人は顔を見合わせてから、繋いでいた手をぱっと離した。

「会社の中だしね」
「名残惜しいけど、外に出るまでは我慢しよう」

 そう言いながら、普段よりも早足になるのは、早く触れたいという思いが強く現れていた証拠。

 こんなにも好きになれる人に出会えたことに、愛梨は心から感謝した。
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