とろけてほどけて愛になる〜友達の恋人の友達は、私を癒して甘やかす〜
「前言撤回はなしだからね」
「楓介くんも、今更やめるとか言わないでね」
「言うわけないよ。むしろ今すぐ部屋に戻って抱きしめたいくらいだし」
すごく恥ずかしいのに、嬉しくて仕方がなくて、どう言葉にすればいいのか困ってしまう。
「私ね、誰かを好きになったり、こうして誰かの手を握ることも、きっと一生ないんだろうなって思ってたの。だから……こんな出会いがあるなんて、諦めなくてよかったんだって、今すごく幸せなの」
この先、恋をすることはないだろうと思っていた。
あの日楓介と再会し、思いがけない出来事が続いた怒涛の日々だったが、その日々があったからこそ、今の幸せに繋がっているのだと思える。
我慢するばかりだった心が、彼の言葉で甘くほぐれ、こわばっていた体が、彼に触れられ溶けていく。
はじめての感覚は、愛梨にそれが愛なのだと教えてくれた。
「俺も同じ。こんなに好きになれる人に出会えて良かった。じゃないと、一生星だけの人生だったかも」
二人の愛は溶けて混ざり合い、新しい愛を形成していく。
「あの日、楓介くんが私のことを大事にしてくれたから……そのおかげで、自分のことに目を向けられるようになった気がするの。だから感謝してる」
だが楓介はどこか不服そうに唇を尖らせ、「勘違いしないでね。あの時だから大事にしたわけじゃないよ。これからもずっと続くからね」と言ってから、愛梨の唇にキスをした。
「個室で良かったね」
二人は顔を見合わせて、クスクスと笑い出す。
刺激的というよりは、どこか懐かしい穏やかな気持ち。
(あぁ、これって、高校生の時に彼に感じていたものに似てる)
あの安心出来るような心地良い空気感を、これから毎日感じられるのだと思うと、少し贅沢な気分になった。
「我慢できない気がして、今夜も部屋を予約してるんだ。愛梨、明日は休みだし、泊まっていける?」
愛梨が頷くと、楓介は満面の笑みを浮かべる。彼の笑顔を見るだけで、心がこんなにも癒されてしまうのだから不思議だ。
「愛梨、好きだよ」
「うん、私も……」
再び唇が重なる。
(どうしよう……幸せすぎて溶けちゃいそう……)
心が甘くとろけてほどけ、かつての友達の恋人の友達同士は、愛し合う恋人へと変わった。
この穏やかな愛は、これから先もきっと二人を癒し続けていくだろう──。
【完】
「楓介くんも、今更やめるとか言わないでね」
「言うわけないよ。むしろ今すぐ部屋に戻って抱きしめたいくらいだし」
すごく恥ずかしいのに、嬉しくて仕方がなくて、どう言葉にすればいいのか困ってしまう。
「私ね、誰かを好きになったり、こうして誰かの手を握ることも、きっと一生ないんだろうなって思ってたの。だから……こんな出会いがあるなんて、諦めなくてよかったんだって、今すごく幸せなの」
この先、恋をすることはないだろうと思っていた。
あの日楓介と再会し、思いがけない出来事が続いた怒涛の日々だったが、その日々があったからこそ、今の幸せに繋がっているのだと思える。
我慢するばかりだった心が、彼の言葉で甘くほぐれ、こわばっていた体が、彼に触れられ溶けていく。
はじめての感覚は、愛梨にそれが愛なのだと教えてくれた。
「俺も同じ。こんなに好きになれる人に出会えて良かった。じゃないと、一生星だけの人生だったかも」
二人の愛は溶けて混ざり合い、新しい愛を形成していく。
「あの日、楓介くんが私のことを大事にしてくれたから……そのおかげで、自分のことに目を向けられるようになった気がするの。だから感謝してる」
だが楓介はどこか不服そうに唇を尖らせ、「勘違いしないでね。あの時だから大事にしたわけじゃないよ。これからもずっと続くからね」と言ってから、愛梨の唇にキスをした。
「個室で良かったね」
二人は顔を見合わせて、クスクスと笑い出す。
刺激的というよりは、どこか懐かしい穏やかな気持ち。
(あぁ、これって、高校生の時に彼に感じていたものに似てる)
あの安心出来るような心地良い空気感を、これから毎日感じられるのだと思うと、少し贅沢な気分になった。
「我慢できない気がして、今夜も部屋を予約してるんだ。愛梨、明日は休みだし、泊まっていける?」
愛梨が頷くと、楓介は満面の笑みを浮かべる。彼の笑顔を見るだけで、心がこんなにも癒されてしまうのだから不思議だ。
「愛梨、好きだよ」
「うん、私も……」
再び唇が重なる。
(どうしよう……幸せすぎて溶けちゃいそう……)
心が甘くとろけてほどけ、かつての友達の恋人の友達同士は、愛し合う恋人へと変わった。
この穏やかな愛は、これから先もきっと二人を癒し続けていくだろう──。
【完】


