ソング・ツインズ
『残念だけど佳苗がいるから大丈夫』と言いたいのかもしれない。
わたしは小さくうなづいた。
「邪魔してごめんね、練習頑張って」
それだけ伝えて音楽室を出た。
ここはもうわたしの居場所じゃない。
胸に重たくのしかかってくる憂鬱感を振り払うようにわたしは大股で歩き出したのだった。

☆☆☆

「早苗、バンド練習は?」
たこ焼き屋の屋台設営を手伝いにきたわたしにクラスメートが驚いた様子で声をかけてきた。
「わたしは出ないよ」
「え、なんで!?」
本気で驚いているみたいで声が裏返えっている。
わたしは自分のマスクを指さして「声、枯れちゃって」と、説明した。
「じゃあ、誰が歌うの?」
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