ソング・ツインズ
わたしはまばたきをして佳苗を見つめた。
「曲名は、この人に伝えてもらいましょう」
突如そう言ったかと思うと佳苗がわたしを指さしたのだ。
思わず後方を確認するけれど、誰もいない。
「松浦早苗さん。私の双子のお姉ちゃんです」
その紹介に和漢ちゃんが振り向いた。
「お姉ちゃん、いた!」
と、可愛らしい声が飛んでくる。
「サナ。こっちにきて」
キーボードのミッチも言う。
こうなったらもう逃げ道はない。
わたしはおずおずとステージ上にあがって体育館内を眺めた。
みんなより高い位置から見る景色に、なんだか夢をみているような感覚になってくる。
フワフワとしていて足元が危うく感じられる。
< 66 / 72 >

この作品をシェア

pagetop