桜花転生奇譚
幕間~合格祝い選び(ひかりside)~



ぼくの1日は、太陽が真上に昇った……もしくは、西に傾き始めてから始まる。

「……」

目が覚めて体を起こすと、畳の上に散らばった紙が見えた。その紙たちを見ないフリをして、ぼくは淡い着物に紺の袴というシンプルな格好に着替える。

今日は、非番だ。何をして過ごそう。

廊下に出て、ぼくは茶の間に向かう。この時間なら、まだみどりさんが茶の間にいるだろう。

「あっ、ひかり。おはよう」

廊下を歩いていると玲兄に話しかけられて、ぼくは立ち止まった。

「おはよう」

「ひかり、今日は暇か?暇なら、優月への贈り物選びを手伝ってくれ」

「……贈り物?」

「優月、試験に合格しただろ?それの祝いとして、何かを贈ろうと思ってな」

「ふぅん……珍しいね。まぁ、いいや。ご飯食べてからでもいい?」

「構わん。伊織も誘ってみるか……準備出来たら、式神を飛ばしてくれ」

玲兄に「分かった」と返すと、玲兄はぼくに背を向けて歩き出した。



「ひかり、あいつが好きそうなのってどんなのだ?」

朝ご飯という名の昼ご飯を食べた後、ぼくと伊織姉と玲兄は大江戸の町を歩いていた。

「……お花とか、身に付けるものとか……可愛いものが好きかな」
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