桜花転生奇譚
ぼくがそう返すと、伊織姉は「だったら、身に付けるものの方がいいよね。花は枯れるし……」と考える仕草をする。

「……その辺は、玲兄に任せるけどね」

ぼくの言葉に、玲兄は考えた後「なら、飾り物にする」と答えた。

「決まりだね。じゃあ、見に行こ!」

ぼくらはたくさんのアクセサリーが置いてあるお店、小間物屋へと向かう。

「……それにしても、お兄ちゃんが贈り物だなんて……珍しいね?」

移動している最中、伊織姉が玲兄に話しかけた。玲兄は「何でもいいだろ」とそっぽを向く。

他にも伊織姉が玲兄に話しかけ、それを玲兄は聞いていた。

「……」

そんな2人の後ろ姿を見て、ぼくは羨ましいな、と思う。

もし、あの時……あんなことが起こらなければ、ぼくも、今でも家族と並んで歩いていたのだろうか。

……だめだ。マイナス思考になってしまっている……。

その時、小間物屋に着いて、ぼくらは小間物屋に入った。小間物屋の一角にある飾り物コーナーには、たくさんのアクセサリーが置かれている。

簪に髪紐、ネックレスやイヤリング。

……まぁ、この世界ではネックレスやイヤリングって呼ばないけどね。

転生前での呼び方に引っ張られてか、ぼくはたまに転生前での呼び方をしてしまう時がある。気を付けないと。
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