桜花転生奇譚
「……思ったより、たくさんの種類があるんだな」

玲兄が机に並べられた飾り物を見つめながら、呟く。ぼくは、そんな玲兄の呟きを聞きながら無言で飾り物を見つめた。

どれも、優月ちゃんの好きそうなものばかりだ。

「……お兄ちゃん、これとかどう?」

伊織姉は、いろいろな飾り物を手に取っては玲兄に見せる。

それを、ぼくは無言で眺めた。その時、ぼくは1つの髪留めが目に入って、それを手に取る。

桃色のヘアピンで、これを見た瞬間に萌歌の顔が思い浮かんだ。

……萌歌、前髪が邪魔だって前に言ってたな。1つ、プレゼントしよう。

ぼくはそっと玲兄と伊織姉から離れると、その髪留めを勘定台へと持っていく。会計をして、包んでもらった小袋を懐に入れると、2人の元へと向かった。

ちょうど、選び終わったらしい。

玲兄が会計をしている間、ぼくと伊織姉は外で待つことにした。



「……萌歌」

拠点に戻ったぼくは、そのまま萌歌のいる研究所へとやって来た。

研究所は、相変わらずの散らかり具合だ。ぼくの部屋といい勝負をしている。

「ひかり、いらっしゃい」

紙と向き合っていた萌歌は、顔を上げるとぼくの方を見て微笑んだ。
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