桜花転生奇譚
刀は使わない。あんな気持ち悪い見た目の怪異に、これ以上近づきたくない。無理。

護符を構えて、私は護符に魔力を流す。その間にも、怪異は私に近いてきた。

近づいてくんなよ、まじで……。

他にもいろいろと心の中で悪態をつきつつ、私は護符を怪異に向かって飛ばす。怪異に護符が張り付いて、怪異は全身炎に包まれた。

怪異と初めて会ったあの日と比べて、悲鳴を上げたり動けなくなったりということが大分減った。慣れたのかな。

……苦しいよね、ごめんね。

燃えて、灰になりながらゆっくりと小さくなっていく怪異を見つめながら、私は心の中で謝る。

怪異を倒す度、チクチクと胸が痛む。怪異に感情や痛覚があるのかは分からないけど、それでも……。

やっぱり、怪異を倒しても平然としていて、落ち着いているひかりちゃんがすごいや。

……もしかして、私……祓魔師が向いていないんじゃ……?

なんて、暗いことを考えてしまう。でも、今は仕事に集中だ、と無理やり思考を変えて、私はくるりと女性の方を向いた。

「……もう、大丈夫です」

私が声をかけると、女性は「ありがとうございます」と笑顔になる。

その笑顔を見て、私の暗かった気持ちは少しは楽になった。
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