桜花転生奇譚
「……優月ちゃん、気付かれないうちに帰ろ」

ひかりちゃんが、声をかけてくる。私は、頷くとひかりちゃんとともに拠点を目指した。



私とひかりちゃんが拠点に戻ってから1時間後、蒼さんと玲さんが戻ってきた。……喧嘩をしながら。

蒼さんが本当は優しいのは分かったけど、何だかなぁ……。

蒼さんに対する好感度は少しだけ上がったとはいえ、まだまだ仲良くなれそうにないや。蒼さんと仲良く、2人で出かけることもあるというひかりちゃんがすごいと思う。

玲さんと目が合って、私の鼓動が早くなる。

「……優月、少し出かけるぞ」

私に近づいてきた玲さんが、私に話しかけてきた。

「え、あ……はい」

私は頷くと、私に背を向けて歩き始めた玲さんの後を追いかける。後ろから、ひかりちゃんと蒼さんの「行ってらっしゃい」と言う声が聞こえた。

まさかの、2人きり!?うぅ、どうしよう……緊張する……。

私と玲さんは、無言のまま街に出る。

「……少し、そこの茶屋で話をしよう。俺が奢る」

玲さんは立ち止まると、近くにある茶屋を指差した。

私がそれを断ろうとすると、玲さんに「構わん。ちょっとしたお詫びというものだ」と言われ、渋々玲さんのご好意に甘えることにした。
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