桜花転生奇譚
自分でも、普段の自分とは思えないことを言っている自覚はある。けれど、これは僕の本音だ。

「……」

僕の言葉に、ひーちゃんは黙り込んだ。少し、顔が赤くなっている。

僕は、次に豆腐を掬って食べた。いつもより食事の速度は遅いけど、ひーちゃんは気にしていない様子だ。

「……蒼さん。もしかして、酔ってる?酔っ払いみたいに見えるんだけど」

「酔ってないよ。ただ、本音を言っただけ。そうだ、ひーちゃん……玲の様子はどう?」

僕の問いかけに、ひーちゃんは「変わらないよ。いつも通り」と答える。その答えを聞けて、僕は安心した。

「……じゃあ、ひーちゃんは?ひーちゃんも、精神干渉受けたんでしょ?」

「……受けたよ。でも、優月ちゃんに話したら楽になった。今は、何ともない……いつも通りだよ」

「そっか。なら、安心だ」

いつもよりすっきりしない頭で、色々と考える。考えるのは、やっぱりひーちゃんのことだ。

あぁ、そう言えば……ひーちゃんが初恋の人だったな。

あの日、剣持家に遊びに行った時にひーちゃんを初めて見た時。僕は、ひーちゃんに一目惚れをした。

ひーちゃんのことを知れば知るほど、どんどんと好きになっていった。

……だけど、僕は片思いのまま終わらせるつもりだ。

だって、初恋は実らない……ってね。
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