桜花転生奇譚
餡の優しい甘さと緑茶の苦味が、絶妙にマッチしていてとても美味しい。

食べ終わって少ししてから、私と玲さんは店を出る。この店に、1時間以上は滞在していたからね。

「……可愛かった。また、行きたいな」

私がそう呟くと、玲さんは「そうだな」と反応した。

私たちが人通りの少ない道を歩いていた時、私たちの目の前に怪異が現れる。

玲さんは、私を守るように私の前に立った……けど、私も玲さんも刀を持ってきていない。

攻撃手段は、魔術しかない。けど、私も玲さんも魔術は得意じゃない。むしろ、苦手だ。

最初の頃は、どちらかと言えば剣術よりも魔術の方が出来るかな?って感じだったけど、今じゃ剣術の方が魔術よりも出来る。剣術は上達したのに、魔術は試験を受けた時からあまり上達していない。

別に、蒼さんの教え方が悪いわけじゃない。むしろ、分かりやすく教えてくれるんだけどね。

ひかりちゃんに作ってもらった護符を使う、しか、攻撃方法は特に思い浮かばなかった。

……こういう時に、魔術組(魔術が得意な蒼さん、ひかりちゃん、萌歌さんの3人を指す言い方。主に、伊織さんがそう呼んでいる)の誰かがいたらな、と思う。

……私も魔術が得意だったら、刀を持っていない時の玲さんを守れるのにな……。

なんて考えていると、後ろから声がした。

「もち!ゆっきー!しゃがんで!!」
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