腹黒策士な弁護士が甘い王子様の仮面を被ってモブの私を誘惑してきます
 三つの橋を渡ったあと、瑞巌寺(ずいがんじ)円通院(えんつういん)を周った。
 その後、遊覧船に乗ってから食べ歩きを楽しむことに。
「やっぱりしょっぱいものを食べたあとは、甘いスイーツがいいですね。すごく美味しい」
 ついさっき買ったばかりのずんだ団子とずんだシェイクを口にし、萌音が頬を綻ばせる。
 あまりにかわいいから、こっそり動画に収めてみる。そのうちに口もとのクリームがついていることに気づいた。
「萌音、ちょっと……」
 手に持っていた紙ナプキンで拭ってやると、萌音が頬をほんのりと桜色に染めながら瞳を揺らす。
 きっと照れているのだろう。
「なんか紫苑さんといると、お姫様にでもなった気分になります」
 萌音は欲があまりないのかもしれない。
 この程度のことでここまで喜んでくれるのだから。
 もっともっと欲張りになっていいと思う。
 いや、なってほしい。
「今日はとことんお姫様に尽くしますよ。なんなりとお申しつけくださいね」
 そっと萌音の手を取り甲にさりげなく口づけを落とすと、萌音の頬がさらに赤く色づいた。
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