腹黒策士な弁護士が甘い王子様の仮面を被ってモブの私を誘惑してきます
「本日笹倉が体調不良になりまして、代わりに私が参りました。さっそくですが、ご用件をお聞かせ願いますでしょうか?」
「だから君には用がないと最初に言ったはずだ。もういい!」
完全にご立腹である。だが、このままこの話をうやむやに終わらせるつもりは毛頭ない。
「それはつまり、笹倉をここにお呼びになったのはプライベートなお誘いだったということでしょうか?」
この場から去ろうとした小酒井先生にそう投げかける。すると彼が足を止め、鋭い視線をこちらに向けてきた。
「弊社では公正競争規約が改定されて以来、そういった個人的なお誘いはお断りするように厳しく指導を受けております。ですから今後、そういったものはご遠慮願いたく思います」
釘を刺せば小酒井先生がさらに眉を寄せ、こちらに近づいてくる。そして、顔の前でひと差し指を立て捲し立て始めた。
「MRごときがこの私に説教か。ふざけるな。おまえのところとの取引をすべて止めてもいいんだぞ?」
感情に任せて私の胸倉を掴んだ小酒井先生は、実に愚かでどこまでも残念な生き物である。こういう人物は恋愛漫画の世界では、突如現れたヒーローに鉄槌を下されるのだが。現実でも制裁されるべきなのだが。
「黙ってないでなんか答えろ」
鳥肌が立ったのは、もはやこの男に対して嫌悪感しかないからだろう。
さてさてどうしようか。
ひとまず胸倉に置かれた手をどうにかしようと、立ち上がろうとしたそのとき。
小酒井先生のスーツの胸ポケット辺りからスマホのバイブ音が届いた。
すぐに彼がスマホを手に取り、画面を確認する。すると、数秒前まで鬼の形相だった彼が鼻の下を伸ばし、いやらしい笑みを浮かべたではないか。
「病院から電話だから、少し席を外す。君にはまだ言いたいことが山ほどあるから、ここで待ってろ」
一方的にそう言うと、小酒井先生はラウンジを出て行った。
自分勝手にもほどがある。
遠くなる背中を見つめながら思う。
絶対に病院からの電話ではないでしょ? 個人的な付き合いのある女からだろうが! と。
「だから君には用がないと最初に言ったはずだ。もういい!」
完全にご立腹である。だが、このままこの話をうやむやに終わらせるつもりは毛頭ない。
「それはつまり、笹倉をここにお呼びになったのはプライベートなお誘いだったということでしょうか?」
この場から去ろうとした小酒井先生にそう投げかける。すると彼が足を止め、鋭い視線をこちらに向けてきた。
「弊社では公正競争規約が改定されて以来、そういった個人的なお誘いはお断りするように厳しく指導を受けております。ですから今後、そういったものはご遠慮願いたく思います」
釘を刺せば小酒井先生がさらに眉を寄せ、こちらに近づいてくる。そして、顔の前でひと差し指を立て捲し立て始めた。
「MRごときがこの私に説教か。ふざけるな。おまえのところとの取引をすべて止めてもいいんだぞ?」
感情に任せて私の胸倉を掴んだ小酒井先生は、実に愚かでどこまでも残念な生き物である。こういう人物は恋愛漫画の世界では、突如現れたヒーローに鉄槌を下されるのだが。現実でも制裁されるべきなのだが。
「黙ってないでなんか答えろ」
鳥肌が立ったのは、もはやこの男に対して嫌悪感しかないからだろう。
さてさてどうしようか。
ひとまず胸倉に置かれた手をどうにかしようと、立ち上がろうとしたそのとき。
小酒井先生のスーツの胸ポケット辺りからスマホのバイブ音が届いた。
すぐに彼がスマホを手に取り、画面を確認する。すると、数秒前まで鬼の形相だった彼が鼻の下を伸ばし、いやらしい笑みを浮かべたではないか。
「病院から電話だから、少し席を外す。君にはまだ言いたいことが山ほどあるから、ここで待ってろ」
一方的にそう言うと、小酒井先生はラウンジを出て行った。
自分勝手にもほどがある。
遠くなる背中を見つめながら思う。
絶対に病院からの電話ではないでしょ? 個人的な付き合いのある女からだろうが! と。