腹黒策士な弁護士が甘い王子様の仮面を被ってモブの私を誘惑してきます
極上の悪い男による恋愛指南が始まりました
【極上の悪い男による恋愛指南が始まりました】
鹿波さんの婚約者のフリをし始めて三週間ほどが過ぎようとしている。
あれからすぐに鹿波さんとともに私の両親のもとへ。結婚を前提に付き合っていると報告したら両親は大喜びし、さっそく結婚式の日程を決めようと張り切り出す一幕があった。もちろんそこは全力で止め、事なきを得た。
とにかくこれで見合い攻撃がなくなるのだと思うと、心底ホッとしたのだが。
……今、また新たな大問題が発生中である。
「あの……紫苑さん? 私、一緒に来る必要ありましたかね?」
フォーマルなスリーピーススーツを着こなし、髪型もバッチリ前髪をアップバング風に決めている紫苑さんに小声でそう尋ねてみる。
「父を納得させるために、このくらいしておいたほうがいいと思いまして。リアル感があるでしょう?」
やわらかく笑う紫苑さん。
猫かぶりモードの彼は、今日も大人の色気が駄々漏れである。
婚約者のフリをするようになってから、プライベートでは彼のことを下の名前で呼ぶようになった。彼の方はその時々によって、私のことを『萌音』と言ったり、『萌音さん』と呼んだりまちまちである。
「行きましょうか」
「あ、はい」
彼にエスコートされ、あいさつ回りを始める。
とにかく姿勢を正し、堂々としていなくては。
頭上には燦々と輝くシャンデリア。足元にはふかふかなワインレッドの絨毯が敷かれており、会場の中央にあるステージからは、バイオリンの生演奏が聴こえてくる。
鹿波さんの婚約者のフリをし始めて三週間ほどが過ぎようとしている。
あれからすぐに鹿波さんとともに私の両親のもとへ。結婚を前提に付き合っていると報告したら両親は大喜びし、さっそく結婚式の日程を決めようと張り切り出す一幕があった。もちろんそこは全力で止め、事なきを得た。
とにかくこれで見合い攻撃がなくなるのだと思うと、心底ホッとしたのだが。
……今、また新たな大問題が発生中である。
「あの……紫苑さん? 私、一緒に来る必要ありましたかね?」
フォーマルなスリーピーススーツを着こなし、髪型もバッチリ前髪をアップバング風に決めている紫苑さんに小声でそう尋ねてみる。
「父を納得させるために、このくらいしておいたほうがいいと思いまして。リアル感があるでしょう?」
やわらかく笑う紫苑さん。
猫かぶりモードの彼は、今日も大人の色気が駄々漏れである。
婚約者のフリをするようになってから、プライベートでは彼のことを下の名前で呼ぶようになった。彼の方はその時々によって、私のことを『萌音』と言ったり、『萌音さん』と呼んだりまちまちである。
「行きましょうか」
「あ、はい」
彼にエスコートされ、あいさつ回りを始める。
とにかく姿勢を正し、堂々としていなくては。
頭上には燦々と輝くシャンデリア。足元にはふかふかなワインレッドの絨毯が敷かれており、会場の中央にあるステージからは、バイオリンの生演奏が聴こえてくる。