腹黒策士な弁護士が甘い王子様の仮面を被ってモブの私を誘惑してきます
「す、好きです! 俺と付き合ってください」
なんの前置きもなく口からでた告白。
彼女は一瞬、目を瞬かせてから膝をこちらに向けてきた。
「私にはすでに許嫁がいるの。だからあなたの気持ちには応えられないわ。ごめんなさい」
許嫁なんていう、生まれて一度も聞いたことのないフレーズに固まっていたら、彼女は申し訳なさそうに頭を下げてから立ち上がった。
「でも気持ちはうれしかったわ。ありがとう」
その言葉は今思えば、彼女なりの気遣いだったのだと思う。
しばらくして迎えの女性が現れて、彼女は「私、そろそろ行かなくちゃ。じゃあね」と言って、階段の方に歩を進めていく。
だが、奇跡のような魔法の時間が終わってしまうのが名残惜しくて。
「せめて君の名前だけでも教えてもらえませんか?」
気づけば、遠くなる彼女の背中に問いかけていた。
「萌音。梓川萌音よ。それじゃあね」
階段の途中でこちらを振り返り、太陽みたいな笑顔でそう答えてくれた瞬間を、俺は今でも忘れられずにいる。
それから彼女と会うことはなくて、そのまま時が過ぎていった。
それなのに、まさか赴任先の製薬会社で初恋の彼女と再会するとは。
これはきっと、神様がくれたチャンスに違いない。
だとすれば、この好機を逃すわけにはいかない。
うまく手なずけて、頭と心の中を俺で満たして。
そして、あらゆる方向から囲い込んで、絶対に萌音を堕としてやる。
なんの前置きもなく口からでた告白。
彼女は一瞬、目を瞬かせてから膝をこちらに向けてきた。
「私にはすでに許嫁がいるの。だからあなたの気持ちには応えられないわ。ごめんなさい」
許嫁なんていう、生まれて一度も聞いたことのないフレーズに固まっていたら、彼女は申し訳なさそうに頭を下げてから立ち上がった。
「でも気持ちはうれしかったわ。ありがとう」
その言葉は今思えば、彼女なりの気遣いだったのだと思う。
しばらくして迎えの女性が現れて、彼女は「私、そろそろ行かなくちゃ。じゃあね」と言って、階段の方に歩を進めていく。
だが、奇跡のような魔法の時間が終わってしまうのが名残惜しくて。
「せめて君の名前だけでも教えてもらえませんか?」
気づけば、遠くなる彼女の背中に問いかけていた。
「萌音。梓川萌音よ。それじゃあね」
階段の途中でこちらを振り返り、太陽みたいな笑顔でそう答えてくれた瞬間を、俺は今でも忘れられずにいる。
それから彼女と会うことはなくて、そのまま時が過ぎていった。
それなのに、まさか赴任先の製薬会社で初恋の彼女と再会するとは。
これはきっと、神様がくれたチャンスに違いない。
だとすれば、この好機を逃すわけにはいかない。
うまく手なずけて、頭と心の中を俺で満たして。
そして、あらゆる方向から囲い込んで、絶対に萌音を堕としてやる。