腹黒策士な弁護士が甘い王子様の仮面を被ってモブの私を誘惑してきます
タクシーで実家に向かうと母が出迎えてくれたが、母の顔はどこか強張っているように思える。
「お父さんは?」
「鹿波さんが駆けつけてくれて、今リビングで対策を練っているところよ」
紫苑さんが家にいると知り、急に心臓がバクバクと音を立て始めた。
母のあとに続き、リビングへ向かう。すると、父と紫苑さんの声が聞こえてきた。
「記事の削除の依頼は?」
「すでに出版社の方に削除依頼をしました」
「そうか。助かるよ」
「社長、このあとですが、まずは不安になられているであろう被験者の方へ、この記事が事実無根だということをきちんと伝えに行きましょう。そのあとに投資家への説明に出向く形で進めたいと思うのですが」
「ああ、分かった」
こういう非常事態の時こそ、冷静沈着で的確に動き回れる紫苑さんのような顧問弁護士がいてくれるのは非常にありがたい。
「萌音、来ていたのか」
リビングに着くと、父が神妙な面持ちでこちらを見据えてきた。
「芽衣に記事のことを聞いて、居ても立っても居られなくて。大丈夫なの?」
「ああ、大丈夫だ。こんなでたらめな記事に潰されたりはしないよ。鹿波くんがいろいろと助言してくれてね、すごく心強いよ」
父のまなざしが紫苑さんの方に伸びる。つられるようにそちらを向くと、真剣な瞳に捕らわれた。
「父や会社の皆、なにより被験者の方たちのためにどうか力を貸してください。お願いします」
深々と頭を下げると紫苑さんがこちらに足を進めてくる気配がして、自然と姿勢を戻した。
「最善を尽くすよ。だからなにも心配するな」
頼もしい声と自信に満ちた表情に触れ、心を覆っていた不安が消えていく。
ああ、やっぱり紫苑さんはすごいや。
そう思わずにはいられなかった。
「お父さんは?」
「鹿波さんが駆けつけてくれて、今リビングで対策を練っているところよ」
紫苑さんが家にいると知り、急に心臓がバクバクと音を立て始めた。
母のあとに続き、リビングへ向かう。すると、父と紫苑さんの声が聞こえてきた。
「記事の削除の依頼は?」
「すでに出版社の方に削除依頼をしました」
「そうか。助かるよ」
「社長、このあとですが、まずは不安になられているであろう被験者の方へ、この記事が事実無根だということをきちんと伝えに行きましょう。そのあとに投資家への説明に出向く形で進めたいと思うのですが」
「ああ、分かった」
こういう非常事態の時こそ、冷静沈着で的確に動き回れる紫苑さんのような顧問弁護士がいてくれるのは非常にありがたい。
「萌音、来ていたのか」
リビングに着くと、父が神妙な面持ちでこちらを見据えてきた。
「芽衣に記事のことを聞いて、居ても立っても居られなくて。大丈夫なの?」
「ああ、大丈夫だ。こんなでたらめな記事に潰されたりはしないよ。鹿波くんがいろいろと助言してくれてね、すごく心強いよ」
父のまなざしが紫苑さんの方に伸びる。つられるようにそちらを向くと、真剣な瞳に捕らわれた。
「父や会社の皆、なにより被験者の方たちのためにどうか力を貸してください。お願いします」
深々と頭を下げると紫苑さんがこちらに足を進めてくる気配がして、自然と姿勢を戻した。
「最善を尽くすよ。だからなにも心配するな」
頼もしい声と自信に満ちた表情に触れ、心を覆っていた不安が消えていく。
ああ、やっぱり紫苑さんはすごいや。
そう思わずにはいられなかった。