腹黒策士な弁護士が甘い王子様の仮面を被ってモブの私を誘惑してきます
 再び始まった甘いキスに身を委ねていると、そのままベッドの上に押し倒された。
「あっ……」
 その直後、パジャマの中に指先が潜り込んできて、脇腹をなぞられた。そのうちに指先が胸の方へと伸びてきて頂を指の腹で捏ねられると、声を発してしまって思わず口もとを手で覆う。
「声我慢しなくていいから」
 なにもかも見透かしたように紫苑さんが言う。
 と言われても。
 ……なんだかものすごく恥ずかしい。
 急激に顔が上気したのは、きっとそのせいだ。
 なんなの、今の甘ったるい声は。
 自分が発したものとは到底思えない。
 戸惑っているうちに口もとに置いた両手を解かれ、今度は耳を甘噛みされた。そのまま唇が首筋を辿るように落ちてくる。
「ひゃっ……んっ」
 やっぱり自分のものとは思えないような、艶っぽい声が漏れてしまう。
 キスの先にあった世界は、想像していたものとはだいぶ違う。ここからどうやって、あの小鳥が鳴くようなチュンチュンシーンに辿り着くのだろう。
 まったく予想がつかないのだが。
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