トップアイドルは白衣の天使に恋をする-Rebirth-
その時、会議室の最奥で、社長が静かに、威厳に満ちた足取りで立ち上がった

そして——

一企業の最高責任者であるはずのその人が、目の前のうら若き一人のファンである女性に向かって、深々と頭を下げたのだ

「……こちらこそ、心からの感謝を」

会社のトップが、大勢の大人たちを従えるあの社長が、個人のために頭を下げる

そのあまりに異例な光景に、女性は激しく狼狽した

「や、やめてください! 社長さん、私なんかにお頭を下げないでください……!」

けれど、社長はゆっくりと顔を上げると、彼女の瞳を真っ直ぐに見据えて、一言一言を噛み締めるように言った

「君は、一世一代の勇気を出してくれた。その尊い勇気が、一人の若者の命を、未来を救うんだ」

そこで社長の声が、地を這うように一段と低く、鋭いものへと変わる。

「——そして、我が社の誇りである『黒騎士』のすべてを救う」

びりびりと空気を震わせるようなその言葉に、会議室の空気が一瞬にして、完全な「反撃のモード」へと切り替わった

社長は、テーブルの上に置かれていた彼女のスマートフォンと、そこに保存された決定的な録音データを、愛おしそうに、けれど冷徹な手つきで自らの手元へと引き寄せた

眼鏡の奥のその瞳には、すでに敵を奈落の底へと引きずり落とすための、容赦のない冷徹な炎が燃え盛っている

「これで、すべてを終わらせよう」

静かで、どこまでも平坦な声

だけど、その一言には、何が起きようとも相手を叩き潰すという、絶対的な大人の決意が込められていた

「——今度はこちらの番だ。徹底的に、やらせてもらう」

その確信に満ちた言葉を耳にした瞬間

長い間、どれだけ歩いても見つからず、俺たちを絶望の淵に陥れていた真っ暗なトンネルの出口が今、ようやく、眩しいほどの光とともに目の前に開けた気がした。
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