トップアイドルは白衣の天使に恋をする-Rebirth-
翌朝

私はいつものように、朝一番からドクターヘリのフライト担当としてスタンバイしていた

無機質な更衣室で鮮やかなブルーのフライトスーツに袖を通しながら、手元のタブレットで今日の気象データに目を通す

窓の外は見事な快晴

視界も驚くほど良好で、ヘリの運航を妨げる要因は何一つ見当たらなかった

壁の時計の針は、午前九時を少し回ったところ

まだ出動を告げるアラートは鳴っていない

それでも、基地病院の待機室の中には、肌がピリピリとするような独特の緊張感が常に漂っていた

一秒後に何が起こるか分からない

それが、私たちフライトナースの日常だ

私は一度深く息を吐き、すぐに出動できるよう救急資器材の最終チェックへと向かった

モニターの起動、輸液ポンプのバッテリー、人工呼吸器のセッティング

そして、緊急薬剤の残数

「……よし。ルート確保キット、予備も含めて問題なし」

一つひとつの器具を指差し確認していく

「一ノ瀬は、相変わらず寸分の隙もないな」

背後からかけられた声に振り返ると、そこには今日コンビを組むフライトドクターの志田先生が立っていた

「このまま何も要請がなければ、それが一番なんですけどね」

「違いない」

志田先生が頼もしく笑った、まさにその直後だった

静まり返っていた待機室に、鋭く高いアラーム音が鳴り響く

同時に、デスクのホットラインのランプが激しく明滅した

一瞬にして、部屋の空気が張り詰めたものへと変貌する。居合わせた全員の表情が、一瞬でプロのそれへと引き締まった
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