トップアイドルは白衣の天使に恋をする-Rebirth-
現場に到着してから治療方針を考えている暇など、一秒たりともない

ヘリのドアが開いたその瞬間から、完璧に動けなければ命は救えないからだ

インカム越しに、志田先生の鋭い視線が私を捉えた

「一ノ瀬」

「はい」

「現場着陸後、何を一番に警戒する?」

私は迷うことなく、即座にマイクに向かって答えた

「解離のさらなる進行と、心タンポナーデ移行による閉塞性ショックです。現場接触直後から、厳密な血圧コントロールと酸素化の維持を最優先します」

志田先生は満足そうに小さく頷いた

「よし、その通りだ。外科チームへのホットラインも機内から入れておく」

「間もなく現場上空です。着陸態勢に入ります」

パイロットの声に導かれるように窓の外を見下ろすと、深い緑に囲まれた山間部の一角が見えてきた

そこには、すでに救急車の赤色灯が激しくきらめいている

搬送時間を大幅に短縮しなければ命に関わる、一刻を争う一分一秒の戦い

機体がアスファルトにしっかりと着陸し、スライドドアが勢いよく開いた

ローターが巻き起こす凄まじい熱風が機内に吹き込んでくる中、私は必要な医療資器材を両手にしっかりと抱え、迷わず外へと飛び出した

待っている患者さんのもとへ一秒でも早く、その命をあちら側から繋ぎ止めるために
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