トップアイドルは白衣の天使に恋をする-Rebirth-
その時だった
ガチャ――
寝室のドアがゆっくり開く音がした
全員が反射的に振り返る
そこに立っていたのは奏くんだった
「奏!」
蒼依くんが立ち上がる
私はすぐに違和感を覚えた
何かがおかしい
呼吸も少し荒い
足元もふらついている
そして何より――
顔色
顔色が悪い
いや
違う
青白いんじゃない
赤い
異常なほど赤かった
「奏くん?」
私は慌てて立ち上がる
奏くんはぼんやりした目でこちらを見た
「……すみません」
声にも力がない
「寝てたら……なんか……」
ふらっ
身体が揺れる
私は反射的に駆け寄った
「危ない!」
腕を支える
その瞬間だった
熱い
明らかに熱い
私はすぐに額へ手を当てる
そして息を呑んだ
熱いなんてものじゃない
異常な熱感
「熱がある」
思わず声が出る
陽貴くんたちも立ち上がった
「え?」
「熱?」
私はもう一度額に触れる
首元
頬
どこを触っても熱い
感覚で分かるこれは38度台どころじゃない
もっと高い
「奏くん」
私は目線を合わせる
「寒気ある?」
奏くんが少し考える
「……はい」
「頭痛は?」
「痛い……」
掠れた声
「吐き気は?」
「少し……」
やっぱり
私は表情を引き締めた
極度のストレス、睡眠不足、過呼吸
そこへ精神的ショック
身体が限界を迎えている
「とりあえず座って」
私はソファへ誘導する
奏くんは抵抗する気力もないのか、そのまま座り込んだ
「陽貴くん」
「うん」
「体温計とってきて」
「あぁ」
すぐに取りに行ってくれる
その間も私は奏くんの状態を見る
脈は速い
顔も真っ赤
額には汗が滲んでいた
いや
滲むどころじゃない
髪の毛まで濡れている
Tシャツの首元もびっしょりだった
高熱の時の身体の反応だ
優朔さんが心配そうに眉を寄せる
「大丈夫なのか」
私は正直に答えた
「精神的なものもあると思う」
蒼依くんが顔を青くする
「まじっすか……」
その時
陽貴くんが体温計を持って戻ってきた
私は受け取る
「奏くん、測ろう」
小さく頷く奏くん
体温計を脇へ挟む
数十秒が妙に長く感じた
そして――
ピピッ
電子音が鳴る
私は画面を見る
その瞬間
思わず眉を寄せた
39.8℃
予想以上だった
「39度超えてる……」
部屋の空気が固まる
蒼依くんが目を見開いた
「え……?」
優朔さんも表情を変える
陽貴くんは額を押さえた
私はもう一度奏くんを見る
瞼は重そうで
焦点も少し合っていない
身体が限界なのだ
心も
身体も
両方とも
「奏くん」
私はできるだけ優しく声をかけた
「今日は何も考えなくていい」
奏くんが小さく首を振る
「でも……」
「ダメ」
少しだけ強めに言う
「今は休むのが仕事」
救命の現場でもそうだ
倒れた人に走れとは言わない
まず休ませる
回復させる
それが最優先
私は陽貴くんを見る
「冷えピタとスポーツドリンクある?」
「ある」
「持ってきて」
陽貴くんがすぐ動く
その姿を見ながら私は奏くんの背中をゆっくりさすった
熱い
びっくりするほど熱い
それでも
今は少しだけ安心していた
少なくとも
さっきみたいに一人で苦しんでいる状態ではないから
今は
みんながいる
一人じゃない
だからどうか
今だけは全部忘れて眠ってほしい
そう願いながら、私はもう一度奏くんの額へそっと手を当てた
ガチャ――
寝室のドアがゆっくり開く音がした
全員が反射的に振り返る
そこに立っていたのは奏くんだった
「奏!」
蒼依くんが立ち上がる
私はすぐに違和感を覚えた
何かがおかしい
呼吸も少し荒い
足元もふらついている
そして何より――
顔色
顔色が悪い
いや
違う
青白いんじゃない
赤い
異常なほど赤かった
「奏くん?」
私は慌てて立ち上がる
奏くんはぼんやりした目でこちらを見た
「……すみません」
声にも力がない
「寝てたら……なんか……」
ふらっ
身体が揺れる
私は反射的に駆け寄った
「危ない!」
腕を支える
その瞬間だった
熱い
明らかに熱い
私はすぐに額へ手を当てる
そして息を呑んだ
熱いなんてものじゃない
異常な熱感
「熱がある」
思わず声が出る
陽貴くんたちも立ち上がった
「え?」
「熱?」
私はもう一度額に触れる
首元
頬
どこを触っても熱い
感覚で分かるこれは38度台どころじゃない
もっと高い
「奏くん」
私は目線を合わせる
「寒気ある?」
奏くんが少し考える
「……はい」
「頭痛は?」
「痛い……」
掠れた声
「吐き気は?」
「少し……」
やっぱり
私は表情を引き締めた
極度のストレス、睡眠不足、過呼吸
そこへ精神的ショック
身体が限界を迎えている
「とりあえず座って」
私はソファへ誘導する
奏くんは抵抗する気力もないのか、そのまま座り込んだ
「陽貴くん」
「うん」
「体温計とってきて」
「あぁ」
すぐに取りに行ってくれる
その間も私は奏くんの状態を見る
脈は速い
顔も真っ赤
額には汗が滲んでいた
いや
滲むどころじゃない
髪の毛まで濡れている
Tシャツの首元もびっしょりだった
高熱の時の身体の反応だ
優朔さんが心配そうに眉を寄せる
「大丈夫なのか」
私は正直に答えた
「精神的なものもあると思う」
蒼依くんが顔を青くする
「まじっすか……」
その時
陽貴くんが体温計を持って戻ってきた
私は受け取る
「奏くん、測ろう」
小さく頷く奏くん
体温計を脇へ挟む
数十秒が妙に長く感じた
そして――
ピピッ
電子音が鳴る
私は画面を見る
その瞬間
思わず眉を寄せた
39.8℃
予想以上だった
「39度超えてる……」
部屋の空気が固まる
蒼依くんが目を見開いた
「え……?」
優朔さんも表情を変える
陽貴くんは額を押さえた
私はもう一度奏くんを見る
瞼は重そうで
焦点も少し合っていない
身体が限界なのだ
心も
身体も
両方とも
「奏くん」
私はできるだけ優しく声をかけた
「今日は何も考えなくていい」
奏くんが小さく首を振る
「でも……」
「ダメ」
少しだけ強めに言う
「今は休むのが仕事」
救命の現場でもそうだ
倒れた人に走れとは言わない
まず休ませる
回復させる
それが最優先
私は陽貴くんを見る
「冷えピタとスポーツドリンクある?」
「ある」
「持ってきて」
陽貴くんがすぐ動く
その姿を見ながら私は奏くんの背中をゆっくりさすった
熱い
びっくりするほど熱い
それでも
今は少しだけ安心していた
少なくとも
さっきみたいに一人で苦しんでいる状態ではないから
今は
みんながいる
一人じゃない
だからどうか
今だけは全部忘れて眠ってほしい
そう願いながら、私はもう一度奏くんの額へそっと手を当てた