トップアイドルは白衣の天使に恋をする-Rebirth-
リビングの重苦しい空気は相変わらずだった。
陽貴くん。
優朔さん。
蒼依くん。
三人ともそれぞれ考え込むように座っている。
私はソファの横まで歩く。
「梓たち来てくれるって」
その一言で優朔さんと蒼依くんが顔を上げた。
「ほんと?」
蒼依くんが身を乗り出す。
私は頷いた。
「救急の先生も一緒に来てくれる」
「訪問診療みたいな形で診てもらえることになった」
その瞬間だった。
優朔さんの肩が、ほんの少しだけ下がる。
言葉にはしない。
でも分かった。
安心したのだ。
誰よりも。
ずっと平静を保っていたけれど。
本当は優朔さんも相当追い詰められている。
長年一緒にやってきた仲間が壊れそうになっているのだから当然だった。
「……助かる」
優朔さんが小さく呟く。
その声には心からの安堵が滲んでいた。
陽貴くんも静かに息を吐く。
「ありがとう」
私は首を横に振った。
「まだ何もしてないよ」
本当にそうだ。
診察してもらうまでは分からない。
でも少なくとも今は、奏くんを診てくれる人がいる。
それだけでも大きかった。
部屋には再び静かな時間が流れる。
時計を見る。
それから15分ほど経った頃だった。
ピンポーン。
インターホンが鳴った。
私はすぐ立ち上がる。
「来た」
玄関へ向かう。
モニターを確認すると、見慣れた顔が映っていた。
私はロックを解除してドアを開ける。
「梓」
「お疲れ」
いつものように短いやり取り。
でも今日はその姿がやけに頼もしく見えた。
スクラブ姿の梓。
髪はひとつにまとめられていて、完全に仕事モードだ。
その隣には一人の男性。
中央大学病院の救急医、日橋先生だ。
ドクターヘリにも搭乗している超ベテラン医師。
私も何度も一緒に現場へ出ている。
私は軽く頭を下げた。
「ありがとうございます」
すると先生は穏やかに笑う。
「一ノ瀬に呼ばれたらこないわけにいかないだろ」
低く落ち着いた声。
日橋先生が室内へ視線を向ける。
「患者さんは?」
私はすぐ頷く。
「寝室です」
「39.8℃の発熱」
「過呼吸、強い精神的ストレスがあります」
日橋先生は静かに聞いている。
途中で一度も口を挟まない。
全て聞き終えると短く頷いた。
「分かった」
そして。
靴を脱ぎながら言う。
「まず診よう」
その言葉には不思議な力があった。
大丈夫。
そう言われた訳じゃない。
でも。
この人なら何とかしてくれる。
そんな安心感があった。
私は日橋先生と梓を寝室へ案内する。
リビングでは優朔さんが立ち上がっていた。
奏くんが心配なのだろう。
そんな優朔さんへ、日橋先生が穏やかに言った。
「大丈夫」
「まずは俺たちに任せて」
その一言に。
優朔さんは小さく頷いた。
そして私たちは静かに寝室のドアを開けた。
陽貴くん。
優朔さん。
蒼依くん。
三人ともそれぞれ考え込むように座っている。
私はソファの横まで歩く。
「梓たち来てくれるって」
その一言で優朔さんと蒼依くんが顔を上げた。
「ほんと?」
蒼依くんが身を乗り出す。
私は頷いた。
「救急の先生も一緒に来てくれる」
「訪問診療みたいな形で診てもらえることになった」
その瞬間だった。
優朔さんの肩が、ほんの少しだけ下がる。
言葉にはしない。
でも分かった。
安心したのだ。
誰よりも。
ずっと平静を保っていたけれど。
本当は優朔さんも相当追い詰められている。
長年一緒にやってきた仲間が壊れそうになっているのだから当然だった。
「……助かる」
優朔さんが小さく呟く。
その声には心からの安堵が滲んでいた。
陽貴くんも静かに息を吐く。
「ありがとう」
私は首を横に振った。
「まだ何もしてないよ」
本当にそうだ。
診察してもらうまでは分からない。
でも少なくとも今は、奏くんを診てくれる人がいる。
それだけでも大きかった。
部屋には再び静かな時間が流れる。
時計を見る。
それから15分ほど経った頃だった。
ピンポーン。
インターホンが鳴った。
私はすぐ立ち上がる。
「来た」
玄関へ向かう。
モニターを確認すると、見慣れた顔が映っていた。
私はロックを解除してドアを開ける。
「梓」
「お疲れ」
いつものように短いやり取り。
でも今日はその姿がやけに頼もしく見えた。
スクラブ姿の梓。
髪はひとつにまとめられていて、完全に仕事モードだ。
その隣には一人の男性。
中央大学病院の救急医、日橋先生だ。
ドクターヘリにも搭乗している超ベテラン医師。
私も何度も一緒に現場へ出ている。
私は軽く頭を下げた。
「ありがとうございます」
すると先生は穏やかに笑う。
「一ノ瀬に呼ばれたらこないわけにいかないだろ」
低く落ち着いた声。
日橋先生が室内へ視線を向ける。
「患者さんは?」
私はすぐ頷く。
「寝室です」
「39.8℃の発熱」
「過呼吸、強い精神的ストレスがあります」
日橋先生は静かに聞いている。
途中で一度も口を挟まない。
全て聞き終えると短く頷いた。
「分かった」
そして。
靴を脱ぎながら言う。
「まず診よう」
その言葉には不思議な力があった。
大丈夫。
そう言われた訳じゃない。
でも。
この人なら何とかしてくれる。
そんな安心感があった。
私は日橋先生と梓を寝室へ案内する。
リビングでは優朔さんが立ち上がっていた。
奏くんが心配なのだろう。
そんな優朔さんへ、日橋先生が穏やかに言った。
「大丈夫」
「まずは俺たちに任せて」
その一言に。
優朔さんは小さく頷いた。
そして私たちは静かに寝室のドアを開けた。