別れてくれない?浮気性彼氏くん。
抜き足差し足忍び足で階段を降り、リビングという名の地獄の空間に足を踏み入れる。


「おはようございます、水主母さん、桜羅父さん」


母は星埜(ほしの) 水主(かこ)


父は星埜(ほしの) 桜羅(おうら)


まぁ、義母、義父が正しい。


わたしは早くに親をなくして、それで福岡生まれの3人が引き取ってくれた。


ちなみに決めたのは姉だ。


2人とも、脳みそが筋肉でできていて、理性というものがなく、すぐに手を上げる。


「起きてくるまで2分31秒。何をしていた?」


「リビングと個別部屋の階段を降りる音、丸聞こえよ。体重、一層と重くなったようね」


散々な言い様だ。


昨日、あんなことがあったと言うのに、まるで追い打ちをかけるように。


「ごめんなさい。反省して、次に活かします。」


「いいだろう。なぁ、母さん」


「えぇ。でも、少し心がこもってなかったのは……ねぇ、乃慧。気のせいかしら?」


「何だと?乃慧…それは本当か?」


こうやって、圧をかけて。『違います』と言えなくするのが、2人のやり口。


「否定しないってことは、そういうことだな!乃慧っ!!」


父さんが、顔を真っ赤に染め上げ、大きく手を振り上げる。
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