お別れしたはずなのに、トラウマCEOの淫らな求愛にカラダから蕩かされています⁉︎
 前菜に始まり、温かなスープ、白身魚のポワレと、コースは途切れることなく続いていく。
 その間も私たちは当たり障りのない会話を交わしたけれど、肝心な話題に触れることはなかった。

 そうして食事も終盤に差しかかったころ――
 最後のデザートを口に運んだとき、不意に視線を感じた。

 顔を上げると、はる君が静かにこちらを見ていた。

 まるで大切なものを見つめるみたいな、やわらかな眼差しで……そんなふうに見つめられると、どうしていいのかわからなくなる。

 落ち着かなくなって「えっと……」と声をあげると、彼は口にしていたコーヒーをソーサーに戻し、少しだけ肩をすくめた。


「……ごめん。見過ぎていたね。みのりが目の前にいるのを見てたら、ほっとして……。今日も来てもらうために、必死だったから。……この前会ったときも、あんなことをしてしまったし」


 ここまで用意周到だった彼の言葉に、少し意外に思いながら、

 あ、あんなこと……

 その一言に引き寄せられるように、ひと月前の夜が蘇る。

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