お別れしたはずなのに、トラウマCEOの淫らな求愛にカラダから蕩かされています⁉︎
 聞いてしまった本心と目の前で復縁を迫る彼の姿が、どうしても重ならないとはいえ、自分のしたことに、まったく身に覚えがないわけがないだろう。

 どちらにしろ、こんな状態では、また彼の手を取ったところで、傷つくのは目に見えている。

 私が六年間抱えてきた傷は、彼の中には存在すらしていなかったのだから。
 
 私は椅子から立ち上がり、逃げるようにソファに置いてあったバッグと上着を掴んだ。


「みのり……!?」
「ごめん……もう帰るね」

「――っちょっと、帰すわけないでしょう!」


 私はそのまま走って廊下に出ようとすると、すぐさま焦ったような足音が近づいてきて、背中からぎゅうっと抱きしめられた。


「女優と比べるとか、固執とかってなに!? それは俺が言っていたの? あのデートの日に!?」
「……もう理由は話したから、帰らせて」


 傷が疼くように心が痛くて、ぎゅうっと瞼を閉じる。これ以上、ここにいたくない。


「帰さない。俺はもう二度とみのりを離さないって決めてるから。ちゃんと俺が納得して解決するまで絶対に帰さないよ」


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