お別れしたはずなのに、トラウマCEOの淫らな求愛にカラダから蕩かされています⁉︎
 本来なら、こういう実務のミーティングにCEOが出席することはなかなかないことだ。いくら重要度の高いイベントだろうと、彼には、国内外のホテル運営や新規事業、他にも優先して判断すべき案件がいくつもあるはずなのに。それなのに彼は自然に議論に加わり、鋭い意見をいくつも出して会議をまとめていく姿は、さすがだと思う。けれど――ふと視線を上げるたびに、彼の目がこちらを向いている気がして、私は落ち着かない気持ちで資料をめくっていた。


「まあ、あの人が来ると場が締まるから助かるけどな」
「ええ、ほんとよ。私たちの意見を通してくれつつ、さらにいい案もくれるし、イケメンなのにいかにも仕事がデキる――って……」


 不意に横から聞き慣れた声が会話に交じってきて、里子と私は肩を跳ねさせた。声の方を向くと、鶴岡さんが、私たちの座るテーブルセットの傍で壁にもたれながら爽やかに笑っていた。


「つ、鶴岡さん……!」


 里子と声が重なる。

 い、いつからいたの……!?

 はる君とのことを聞かれたのではないかと、私は背筋をひんやりさせた。


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