お別れしたはずなのに、トラウマCEOの淫らな求愛にカラダから蕩かされています⁉︎
 対面に座る彼女は、今朝父から突然呼び出されたことからはじまり今日あったことを全部聞いたが、ちっとも動じる様子はなかった。

 むしろちょっとだけ嬉しそうに見えるのは気のせいだろうか。


「まあ、私は、近いうちにこうなるとは思っていたけどね……」


 優梨ちゃんは、大道寺社長の長女であり、私の幼馴染のひとりだ。そして今、私の心を掻き乱している彼、はる君の血のつながったお姉さんである。

 三十歳になったとは思えないほど可憐で、背中まで届く艶やかな黒髪と、所作のひとつひとつに滲む品の良さが目を引く。姉と同じく、どこにいても自然と人の目を惹きつける。そして、その横顔に、よく知った彼の面影を見つけてしまうが、私はいつも見ないふりをしている。

 弟の元恋人――立場だけを考えれば、少し距離ができてもおかしくない関係だと思う。
 それも私は、はる君と別れた理由を誰にも話したことがなかった。それなのに優梨ちゃんは、昔と変わらず私たち姉妹に接してくれる。

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