お別れしたはずなのに、トラウマCEOの淫らな求愛にカラダから蕩かされています⁉︎
 はる君には言えないけれど、六年前のあの出来事から、より一層そういう衣装は避けるようになっていた。もうあれが誤解だったとわかった今なら、気にしなくていいと言うのは分かる。学生の頃みたいに、母やみさとちゃんと私を比べるようなことを言ってくるクラスメイトも、もういないのだ。だけど、長く染みついた苦手意識は、そう簡単には消えてくれなかった。

 結婚式やドレスコード付きのパーティーでも、選ぶのは今みたいなパンツスタイルの露出の少ないものばかりだ。母やみさとちゃんは、身体のラインが出る華やかなドレスのほうが絶対に私に似合うと言ってくれるけれど、私にはどうしても気後れしてしまう。

 対して着替えてきたというはる君は、深みのあるネイビーのスリーピーススーツを品よく着こなしていた。余計な装飾はないのに、一目で上質だとわかる仕立てが、長身の体躯をいっそう引き立てている。

 私の話を聞いたあと、はる君は少し考えるようにして、ぽつりと呟いた。


「――そうか。似合うものも好みも人それぞれだし、みんな好きな格好をすればいいと思うけど……でも俺は、ドレスを着て照れてるみのり、きっとすごく綺麗だと思うけどな」


 柔らかく微笑んでそう告げたはる君を、私は思わず目を見開いて見つめた。

 〝照れてる〟はちょっとアレだけど……〝綺麗〟なんて、初めて言われたかも。


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