お別れしたはずなのに、トラウマCEOの淫らな求愛にカラダから蕩かされています⁉︎
「鶴岡さん、お疲れ様です」
「ふたりとも、華やかでいいな! 今日は挨拶回りになると思うが、頼んだぞ」
軽く挨拶を交わしたあと、鶴岡さんはふと私たちの衣装に視線を向ける。
さらりと言われて、思わず瞬きをした。
華やかな里子だけではなく、私のことまで含めてくれている。鶴岡さんは以前からこういうところが自然で、優しい上司だと思う。
やがて、大広間には関係者のほとんどが集まり、開始時間が近づくと、会場の中央に立ったスタッフが声を上げた。
「それでは皆さま、そろそろお時間ですので――」
進行役の声を合図に、ざわめいていた会場が少しずつ静まっていく。
そのタイミングで、はる君が秘書の男性と会話を交わしながら、ゆっくりと会場へ姿を現した。
さっきまで車の中で話していたときの柔らかな雰囲気とは違う。仕事モードのはる君は、空気まで変わったみたいに凛としていて、思わず息を呑んでしまう。
会場前方へ進んだはる君は、大道寺グループ代表として、落ち着いた口調で今回のイベントへの感謝と期待を述べた。