お別れしたはずなのに、トラウマCEOの淫らな求愛にカラダから蕩かされています⁉︎
 そう思うと同時に、先日の休憩室での鶴岡さんの忠告が頭を過った。

 おそらく、鶴岡さんが注意を促していたウエディング部門の人物も、里子が言っていたのも、この男性のことだろう……。鶴岡さんは相手の立場を考えみなまで言わなかったのだろうけれど、その言動や視線からは、ひと癖もふた癖もありそうな雰囲気がにじみ出ていた。


「はは、まあ仕方ありませんよ。本当なら、この場に出演モデルも呼んで、ドレスのお披露目をするのが普通なのでしょうが、あれでは……ねえ?」


 手厳しい言葉に胸がちくりと痛むが、私は差し障りのない申し訳なさそうな笑みを浮かべるしかなかった。
 クライアントの機嫌を損ねるのはなるべく避けたい。鶴岡さんもどことなく笑顔が引き攣っている。
 そもそも、決行会でのモデル招致も、お披露目演出も、そんな話は最初からひと言も出ていなかった。


「で? あれから進んでます?」


 統括部長がさらに斬り込んで来ようとすると、鶴岡さんが横からフォローを入れてくれた。


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