お別れしたはずなのに、トラウマCEOの淫らな求愛にカラダから蕩かされています⁉︎
「向坂がかなり詰めて進めてくれていて、候補者選定までは問題なく進んでおります。ただ、御社のご要望の方向性を確認したい点がありまして。そこさえ擦り合わせできれば、すぐ動けま――」

「擦り合わせだと? まるで私の意見に問題があるみたいな言い方じゃないか! なぜ大切なイベントでありながら、統括の私の意見が確認などされなければならないんだ!」


 鶴岡さんの言葉尻をとらえるように、統括部長はすぐさま反論した。

 モデル選定において、ウエディング部門の責任者である自分の一存で決まると思っていたのだろうか。大道寺全体の意向とのズレより、自分の希望が通らないことに腹を立てているように見えた。

 けれど鶴岡さんは表情ひとつ変えず、落ち着いた声で続ける。


「そのような意図ではございません。より良い形で進行するため、一度顔を合わせて認識を共有させていただきたいという意味です」


 だが、統括部長は納得できないようで、鼻で笑いながら肩を竦めた。


「共有、ねえ?」


 手元の赤ワインの入ったグラスを揺らしながら、じろりとまた私を見る。


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