お別れしたはずなのに、トラウマCEOの淫らな求愛にカラダから蕩かされています⁉︎
 スカートタイプのドレスではないが、きちんとドレスコードに合ったフォーマル衣装で、TPOを考え選んできたつもりだった。若さなど関係なく、私の他にも、パンツスタイルの女性はいる。その指摘は、彼の個人的な好みが左右されているような気がしてならないが、自分に引け目を感じドレスの着用を避けてきた私の心を抉るのには十分な効力を持っていた。


「それに、今回のイベントは特別ですからね。ウエディング部門の責任者として拘りたいんですよ」


 統括部長は含みを持たせるように笑う。


「向崎さんの要望は、私の要望とは正反対のスレンダーでシンプルなモデルでした。ですが、私としては妖艶で男を惑わせるような子がいいんです。ドレスが純白で清らかである以上、たまにはそう言ったメリハリも大切ですから。……まあ――向崎さんも、心のなかではきちんとわかっていらっしゃるでしょうけど、意地が出るのかな?」


 嘲笑うようなその言葉に、周囲の空気が少しだけざわつくのを感じた。
 その瞬間、統括部長の視線が私の身体を値踏みするように滑り、薄く鼻で笑ったのを見逃さなかった。

 ……彼が、何を言いたいのか、わかってしまった。


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