お別れしたはずなのに、トラウマCEOの淫らな求愛にカラダから蕩かされています⁉︎
 その姿は、言うことを聞かない子どもを言い聞かせるみたいに見えて、私は思わず笑ってしまった。


「ふふ、わかった、ありがとう」
「でも、みのりのその前向きな気持ちは嬉しいから、ちゃんと受け取っておく」


 次の瞬間、はる君はおどけたように笑いながら、腕の中にいた私をそのままひょいと抱き上げた。


「へ? ひゃあ――!?」


 視界がふわりと高くなり、反射的に彼の首へ腕を回す。 抱きすくめられた身体がぴたりと密着して、さっきまでとは違う意味で心臓が忙しくなった。

 はる君はそんな私を見下ろしながら、楽しそうに口元を緩める。


「は、はる君……? どこに? コーヒー飲むんじゃ――」
「みのりが可愛いことばかり言うから、一息つく前に……みのりのこと可愛がりたくなった」


 耳元で甘く囁かれ、胸がどくんと跳ねる。

 その少しだけしっとりした声音だけで、どこへ連れて行かれるのかなんて、わかってしまった。

 私を抱いたまま廊下へ出たはる君は、迷いのない足取りでひとつの扉を開ける。やはり、そこはベッドルームだった。

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