お別れしたはずなのに、トラウマCEOの淫らな求愛にカラダから蕩かされています⁉︎
 その一言を合図に、社内の制作チームはほっとしたように表情を緩め、現地スタッフと軽く挨拶を交わしながら、それぞれ機材や資料をまとめ、三々五々チャペルをあとにしていった。

 私も同じように挨拶しながら、図面や進行資料をまとめている鶴岡さんのもとへ駆け寄った。


「手伝います!」
「ありがとな」


 鶴岡さんは助かったと笑い、抱えていた紙袋いっぱいのファイルのひとつを私に預けた。自分も残りの紙袋と図面ボードを抱え、私たちはブライダルエリアをあとにして客室へ戻る。

 上質な館内を進み、エレベーターに乗り製作スタッフの客室のあるエリアへ行く。
 鶴岡さんの客室の近くにまできたところで、視線をあげた。


「荷物、扉の前で大丈夫ですか?」
「ああ。重いのに悪いな」

「補佐ですから、頼ってください」


 鶴岡さんの部屋の前に到着し、ドアの横に荷物を並べた。


「あー、向坂……お礼に、飯でもどうかな?」
「え?」

 
 荷物を置いて立ち上がったところで、鶴岡さんがどこか探るような口調でそう言った。


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