お別れしたはずなのに、トラウマCEOの淫らな求愛にカラダから蕩かされています⁉︎


 そう呟く彼を見て、私も頬が緩んだ。
 はる君から聞いて責任を感じていたのだろう。空気が軽くなるのを感じた。


「お礼を言うのは私の方だよ。ずっと心配してくれてたんだね……ありがとう」


 私は冷めかけていた料理にそっとフォークを入れながらそう伝えると、陸君は少しだけ微笑んだ。
 

「心配にもなるよ……俺が見てきた兄さんは、昔からみのりちゃんのことしか見てなかったからね」


 陸君はグラスに口をつけ、それからどこか懐かしむように目を細めながら穏やかな声で言った。
 そんなふうに、ずっと近くではる君を見てきた陸君に言われると、胸の奥がくすぐったくなる。


「俺が言う立場じゃないけど、兄さんて、父さんに似てちょっと頭が硬くて不器用でさ……たまにみのりちゃんを困らせることもあると思うけど、みのりちゃんを思う気持ちだけは確かだから……兄さんのことよろしくね」


 陸君の優しさあふれる言葉に、私は小さく頷いた。

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