お別れしたはずなのに、トラウマCEOの淫らな求愛にカラダから蕩かされています⁉︎
 ◇◇◇ 
 

 それからの二日間は、目の回るような忙しさだった。
 現地スタッフとの調整に、会場の下見、演出内容や当日の導線確認――
 陸君のおかげで最悪の事態は回避できたものの、イベント本番まで残された時間は少ない。出張中のスケジュールは分刻みで埋まっていて、私たちも気を抜いていられる状況ではなかった。
 陸君と再会したことも、モデルの件で大きなトラブルが起きたことも、本当は真っ先にはる君へ話したかったのに、行動に移す暇もないほど動き回っていた。

 そうして迎えた三泊目の夜。明日の帰国を前に少しだけ早く部屋へ戻った私のスマートフォンが、小さく震えた。


【みのり、お疲れさま】
「はる君……」


 シャワー上がりの濡れた髪をタオルで拭きながら、スマートフォンを耳に当てる。

 久々に聞くはる君の声に胸が高鳴った。
 受話口から届く声は、どこかいつもより低く甘い。声が近く感じるせいかもしれない。


【……出張中は忙しいと思ったんだけど、どうしても、声が聴きたくなっちゃって】
「ちょうど今、部屋でのんびりしていたところだから、大丈夫だよ」


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