お別れしたはずなのに、トラウマCEOの淫らな求愛にカラダから蕩かされています⁉︎
 正直、この衣装もあって、これ以上視線を集めるのは避けたいところだけれども、それでも、夜のやわらかな暗がりのせいか、それとも隣にはる君がいるからか、不思議と嫌な気持ちにはならなかった。

 小さく頷いて、ふたりでスタッフから腕いっぱいに大きなランタンを受け取る。

 それから、スタッフに案内され、デッキの一角へと足を踏み入れる。

 階段を降りたそこは、イベント用に開放されている区域らしく、他よりも一段低い位置にあり、水面が通常よりも近くに感じられる造りになっていた。

 目の前には、水面へと緩やかに続く細いスロープ。どうやら、そこに乗せて送り出すらしい。
 ふたりでランタンに光を灯し息を合わせるように、そっとスロープへと近づける。

 そして、指先を離すと、淡い光を宿したそれは、わずかに揺れながら滑り、やがて水面に触れて、静かに浮かび上がった。

 ――綺麗……

 水の上に広がる光が、ゆっくりと夜に溶けていく。
 思わず歓喜のため息がこぼれた。

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