お別れしたはずなのに、トラウマCEOの淫らな求愛にカラダから蕩かされています⁉︎
 大理石の床が広がる空間は、相変わらず気後れしそうなほど豪華で洗練されていた。外の蒸し暑さが嘘みたいに静まり返った空気に、ふっと息をついた、そのときだった。

 コンシェルジュカウンターの前に立つ、見覚えのある後ろ姿が目に入る。
 視線が合った瞬間、その人の表情がぱっと緩んだ。


「みのりちゃん!」
「優梨ちゃん……?」


 思わず名前を呼び合い、駆け寄ってしまう。

 肩までの髪をゆるく巻いた優梨ちゃんは、上品なワンピース姿もよく似合っていて、相変わらず洗練された大人の女性の空気をまとっていた。

 会うのは、はる君に婚活パーティー会場から連れ去られて以来だ。あれからもメッセージのやり取りはしていたけれど、顔を合わせるのは久しぶりだ。


「偶然だね。悠に出張のお土産を渡しにきたんだけど、いないから。みのりちゃんも悠に会いに?」
「あ、うん。そうなの」


 優梨ちゃんに、ここ数か月はる君との間にあったことは軽く伝えていた。

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