お別れしたはずなのに、トラウマCEOの淫らな求愛にカラダから蕩かされています⁉︎
 その背中が遠ざかりそうになった瞬間、気づけば私は、縋りつくみたいに後ろから彼を抱きしめていた。


「……みのり?」


 はる君の声からとても驚いているのが伝わる。

 自分でも、着替えてきて、なんて先を促したばかりなのに、いったい何をしているのだろうと思う。

 本当は夕飯を食べながら聞くつもりだった。落ち着いてから話そうと思っていたのに、〝話〟なんて言われた瞬間、どうしても待てなくなってしまった。

 昼間に見たネットニュースの記事が脳裏をよぎり、抱きしめた指先に力が入る。


「みのり」


 もう一度優しく名前を呼ばれ、揺らぎそうになる心をどうにか奮い立たせる。

 私は彼に回していた手に力を込めたままどうにか口を開いた。


「……着替えておいでって言ったのに、ごめん。やっぱり、その前に……私の話、聞いてくれる……?」


 恐る恐るそう尋ねると、はる君はわずかに目を瞬いた。けれど次の瞬間には私の手にそっと触れ、安心させるように抱き寄せてくれる。


「……もちろん。なんでも隠さず言ってほしい。どうしたの?」


 低く穏やかな声が耳元に落ちてくる。

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