お別れしたはずなのに、トラウマCEOの淫らな求愛にカラダから蕩かされています⁉︎
 後頭に添えられていた手は顎先へと移動し、唇を開かせると奥を求めるように口づけてくる。
 何度も擦り合わせて、何度も吸い上げて。唇が溶けて無くなってしまいそうになるまでふたりで求め合って――

 やがて、ひとしきり口内で暴れていた舌は、そっと引き抜かれて彼の口の中へと戻っていった。


「君から離れるわけないでしょう……やっと取り戻したのに」


 力の抜けた身体を持ち上げるようにぎゅうっと抱きしめ、はる君はつぶやく。

 それは、どことなく困ったような口調で、荒い呼吸を整えた私は「へ⋯⋯?」と目の前で揺れるアーモンドアイを見上げる。


「……みのり、早とちりしてるね」
「はや、とちり?」


 少しだけ汗ばんた私のこめかみに、濡れたはる君の唇がそっと触れた。
 さっきまでとは違った、可愛らしいキスにきゅんと心が震える。

 ど、どういうこと……?

 目をパチクリしながら下から覗き込んでいると、


「――まあ、みのりからのプロポーズは、最高に嬉しかったけどね?」


< 280 / 339 >

この作品をシェア

pagetop