お別れしたはずなのに、トラウマCEOの淫らな求愛にカラダから蕩かされています⁉︎
 〝みのり〟のイントネーションがわずかに違ったような気もするけれど、そんなことを考える余裕なんて、このときの私には無かった。

 はる君は、本当は、ああいう華やかで女性らしい人が好きだったのだ。
 そして、そんな理想とは正反対の私に、もう恋人としての魅力を感じられなくなってしまったのだ――と。

 悔しくて、悲しくて、苦しくて……気づけば私はその場から走り去っていた。
 私はそのまま、電話で彼に別れを告げたのだった。



 ◇◇◇ 
 



 それから私は、はる君を避けるようにして過ごした。
 まともに顔を見ることもできないまま日々を過ごし、ほどなくして学校から交換留学の推薦枠の繰り上げを打診され、私は海外留学へと進路を変えた。
 進学を取りやめたいと申し出たときは、両親にとても心配されたけれど、将来的に父の会社を支える立場になることを考えれば、むしろ必要な経験だと、自分なりに筋を通したつもりだった。そして私は、家族以外の誰にも知らせず、逃げるように日本を発った。

 ――もう、あれから六年も経つのに、私は未だにあの出来事に心を引っ張られている。

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