お別れしたはずなのに、トラウマCEOの淫らな求愛にカラダから蕩かされています⁉︎
 里子の誘導でチャペルの前に移動し、スタイリストさんが裾を整えてくれる。

 扉の向こう側からは、参列者たちのざわめきと、厳かなパイプオルガンの音色が微かに聞こえてきた。

 いよいよ、本番だ。

 今回は内覧会用の演出ということもあり、シンプルに新婦がひとりで入場するスタイルが採用されている。

 参列席には、招待された大勢の大道寺グループ・ホテル事業部の国内外の取引先や、ブライダル業界の関係者、VIP顧客たちがいるだろう。

 本来の私なら、ドレスを着て大勢の前に立つなんて絶対に避けていたと思うけれど……というか本音を言えば、今でも逃げ出してしまいところだけれど……扉の向こうに彼が待っていることを噛みしめ、しっかりと前を向いた。

 静かな合図とともに、扉がゆっくり開いていく。

 息を吸って顔を上げると、バージンロードの先の祭壇の前には、はる君の姿があった。

 静かに立つはる君を見た瞬間、胸の奥が強く鳴る。

 凛々しく美しいその姿は、まるで童話の王子様みたいで……リハーサルのときにも見ていたなずなのに、目を逸らすことができない。

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