お別れしたはずなのに、トラウマCEOの淫らな求愛にカラダから蕩かされています⁉︎
 格式高いモーニングコートを軽やかに着こなすはる君は、どこか現実離れして見えた。

 ステンドグラスの光を受けたダークブラウンの髪がやわらかくきらめいて、端整な面差しをいっそう引き立てている。

 その姿に背中を押されるように、私は一歩を踏み出した。

 参列席から視線が集まる。注目を浴びる緊張感に包まれながらも、私はまっすぐ前だけを見つめ、ゆっくりと足を進める。

 ――必ず成功させるんだ。

 四カ月前までは、ドレスを着ることはもちろん、こんなふうに人前を歩く姿なんて、想像もしていなかった。
 きっと、はる君と再会していなければ、今も変われないままだったと思う。

 過去に囚われ、自分に自信なんて持てなかった私は、彼がどれだけ真っ直ぐに想いを伝えてくれても、素直に受け止めることができずにいた。

 だけど、はる君はそんな私を、根気強く、大きな愛情で包み込んでくれた。

 ありのままでいいこと。たとえ怖くても、一歩踏み出せば、ちゃんと前を向いて歩いていけること。

 彼と過ごす時間のなかで、少しずつ、心を縛っていた過去がほどけていって……

< 306 / 339 >

この作品をシェア

pagetop