お別れしたはずなのに、トラウマCEOの淫らな求愛にカラダから蕩かされています⁉︎
 向坂家でも、温かく迎えてもらえた。陵介さんに「色々あったんだと思うが、本当に良かった」と含みのある顔で言われたときはさすがに背筋が伸びたが、みゆきさんとみさとは、自分のことのように挙式を楽しみにしてくれていた。

 それから間もなくみのりが俺の部屋で暮らすようになって――ようやくこのごろ、「俺は本当に、彼女の人生をこの先ずっと隣で歩いていけるんだ」と実感が湧いてきた。

 挙式はふたりで相談し、あの模擬挙式を行ったシンガポールのグランツ・ハピネスで挙げることに決めた。
 リゾートプールに落ちたり、気づけば公開プロポーズのようになっていたりと、思い返せばかなり騒がしい思い出ばかりだが……。それでもあの日は、みのりが過去を乗り越えて、自分の足で前へ進もうとしてくれた日だった。
 そして俺にとっても、みのりへ正式に想いを伝え、未来を約束した特別な場所。ここ以外の選択肢なんて、最初からふたりのなかにはなかった。

 思い出が次々と頭を過り、いよいよ表情の締まりのなさに危機感を覚え始めたとき、みのりが思い出したように声を上げた。


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